サロン開業を考えたとき、多くの人が「まずは成功しているサロンを見てみよう」と競合リサーチを始めます。
これは決して間違いではありません。むしろ、市場を知るためには必要なステップです。
しかし、ここには大きな落とし穴があります。
それは、リサーチしているうちに、いつの間にか競合サロンに寄せたコンセプトを作ってしまうこと。
今回は、競合に埋もれない独自性を保ちながら、効果的にリサーチを活用する方法をお伝えします。
競合リサーチの本当の目的とは
まず、競合リサーチの目的を明確にしましょう。
× 間違った目的
- 人気サロンの真似をするため
- 成功の方程式を見つけるため
- 同じようなサロンを作るため
◯ 正しい目的
- 自分のサロンがどこと比較されそうかを知るため
- 市場にある「空白地帯」を見つけるため
- あえて違いを作るポイントを考えるため
競合リサーチは、「似たサロンを作る」ためではなく、「違いを作る」ためのヒント集めなのです。
競合リサーチの手順
ステップ1:比較されそうな競合を3〜5店舗ピックアップする
まず、あなたのサロンがオープンしたら、お客様から比較されそうなサロンをリストアップしましょう。
- 同じエリア内にあるサロン
- 価格帯が近いサロン
- ターゲット層が似ているサロン
- SNSでよく見かけるサロン

このとき、「憧れのサロン」や「理想のサロン」ではなく、現実的に比較対象になりそうなサロンを選ぶのがポイントです。
ステップ2:客観的に情報を集める
選んだ競合サロンについて、以下の項目をチェックしていきます。
基本情報
- メニュー内容と価格帯
- 営業時間・定休日
- 立地・アクセス
コンセプト・雰囲気
- どんなお客様をターゲットにしているか
- サロンの世界観やテーマ
- 強みとして打ち出している内容
発信内容
- SNSでの投稿内容(頻度・テーマ)
- ホームページの構成
- お客様の声や口コミの傾向
独自性
- 他と違う特徴は何か
- どんな言葉でアピールしているか
このとき大切なのは、感情を入れずに客観的に観察することです。



「素敵だな」「真似したいな」と思ったら、一旦その気持ちを脇に置きましょう。
ステップ3:「違い」を作るポイントを考える
情報を集めたら、次はいよいよ分析です。
ここでは、競合と同じことをするのではなく、あえて違いを作るポイントを探していきます。
- 競合が提供していない価値は何か?
- 競合が拾いきれていないお客様のニーズは何か?
- 自分だからこそ提供できる体験は何か?
- 競合と同じメニューでも、違う切り口で提供できることは?
【具体例:Bさんの場合】
Bさんは、エリア内の人気サロン3店舗をリサーチしました。
- どのサロンも「高級感」「ラグジュアリー」を前面に出している
- 価格帯は8,000円〜12,000円
- 20代後半〜30代前半の女性がメインターゲット
Bさんの考察: 「このエリアには、高級路線のサロンが多い。でも、もっとカジュアルに通えるサロンを求めている人もいるのでは?」
- あえて親しみやすい雰囲気を重視
- 価格は5,000円〜7,000円と通いやすく設定
- 「特別な日」ではなく「日常の延長」として気軽に来られるサロンに



このように、競合と同じ土俵で戦うのではなく、まだ満たされていないニーズを見つけることが重要です。
よくある失敗:競合に引っ張られてしまうパターン
リサーチをしていると、こんな状況に陥ることがあります。
パターン1:人気サロンの真似をしてしまう
「あのサロンが成功しているから、同じようにしよう」



これでは、二番煎じのサロンになってしまいます。お客様は「本家」の方を選びます。
パターン2:競合の良いところを全部取り入れようとする
「ここの内装も素敵、あそこのメニューも良い、全部取り入れたい」



結果、軸がブレてしまい、「結局何が強みなのか」がわからないサロンになります。
パターン3:競合を意識しすぎて自分らしさを失う
「競合に負けないように」と、本来やりたかったことから離れてしまう



あなたの強みや想いが活かせない、苦しいサロン運営になってしまいます。
リサーチ後に必ずやるべきこと
競合リサーチをした後は、必ず以下のことを行いましょう。
1. 一度、競合のことを忘れる
リサーチした内容は頭の片隅に置いておき、もう一度自分自身の棚卸しに戻ります。
あなたの強み、経験、想いは何だったでしょうか?
競合がどうであれ、あなたが提供したい価値は何ですか?
2. 「比較されたときの答え」を用意する
お客様は必ず複数のサロンを比較します。
そのときに、「うちは◯◯が違います」と明確に答えられる違いを持っておきましょう。
3. 定期的に見直す
市場は常に変化します。半年に一度程度、競合の動きを確認し、自分の立ち位置を確認するのも良いでしょう。
ただし、その都度コンセプトを変える必要はありません。あくまで参考程度に。
競合リサーチで得るべきは「真似するネタ」ではなく「違いを作るヒント」
競合リサーチは、成功しているサロンを真似るためのものではありません。
「ここと比較されそうだな」「じゃあ、どういった違いを作ればターゲットが自分のサロンに足を運んでくれるのだろう?」
そう考えるためのヒント集めです。
人気サロンと同じことをしても、お客様はオリジナルの方を選びます。
でも、あなたにしかできないことなら、お客様は必ず「あなた」を選んでくれます。
まとめ
- 比較されそうな競合を3〜5店舗ピックアップする
- 客観的に情報を集める(感情は入れない)
- 「違い」を作るポイントを考える
- リサーチ後は一度競合のことを忘れ、自分の軸に戻る
競合に寄せるのではなく、あなただけの立ち位置を見つけることが、長く愛されるサロンへの第一歩です。







