「近所のサロンより高いと来てくれないかも…」 「まだ実績ないし、安くしないと…」 「とりあえず3,980円でお試しメニュー作ろう」
開業前や開業直後、こんな風に考えていませんか?
その気持ち、すごくわかります。でも、安易な値下げは、あなたのサロンを苦しめるだけです。
この記事では、なぜ安売りがダメなのか、そして「適正価格」をどう決めるべきかを解説します。
安売りがダメな4つの理由
理由1:自分の価値を下げることになる
安い料金設定は、「私の技術はこの程度です」って自分で言っているようなもの。
お客様も「安いサロン = それなりのサロン」としか認識してくれません。
例えば、
- 小顔矯正 60分 3,980円
- フェイシャル 60分 4,500円
これを見たお客様は、「安いけど、大丈夫かな?」「技術に自信がないのかな?」って思います。
逆に、
- 小顔矯正 60分 9,000円
- フェイシャル 60分 12,000円
これなら、「しっかりした技術がありそう」「結果が出そう」って期待してもらえます。
理由2:価格で選ぶお客様しか来なくなる
安さで来たお客様は、もっと安いところが見つかったらすぐに移ります。
- 「今月は〇〇サロンが安いからそっちに行こう」
- 「クーポンないなら行かない」
- 「正規料金なんて高すぎる」
こういうお客様ばかりになって、リピート率が上がらず、常に新規集客に追われることになります。
しかも、こういうお客様は要求が多かったり、クレームも多い。紹介もしてくれなければ、口コミも書いてくれない。
疲弊するだけです。
理由3:値上げができなくなる
一度安くしちゃうと、後から値上げするのはすごく難しい。
「え、値上げするの?じゃあもう行かない」って言われるのが怖くて、ずっと安い料金で提供し続けることになります。
技術が上がっても、経験を積んでも、ずっと安いまま。これでは成長できません。
理由4:経営が成り立たない
これが一番深刻。
材料費、家賃、光熱費、広告費、消耗品費…すべてを賄って、さらに自分の生活費を確保するには、適正価格が必要です。
シミュレーションしてみよう
小顔矯正 60分を3,980円で提供した場合
- 月に50人集客できたとして → 売上199,000円
- 家賃・光熱費:60,000円
- 広告費(ホットペッパー等):50,000円
- 材料費・消耗品:20,000円
- 手元に残るお金:69,000円
これで生活できますか?
では、適正価格9,000円で提供した場合はどうでしょう?
適正価格9,000円で提供した場合
- 月に30人集客できれば → 売上270,000円
- 家賃・光熱費:60,000円
- 広告費:30,000円(単価が高いので集客数少なくてOK)
- 材料費・消耗品:20,000円
- 手元に残るお金:160,000円

人数は少なくても、売上も利益も大きくなります。
適正価格とは何か?
「じゃあ、適正価格っていくらなの?」
これには明確な答えがあります。
適正価格 = 原価 + 技術料 + 空間提供料 + あなたの時間の価値



一つずつ見ていきましょう。
1. 原価(材料費)
使用する化粧品、オイル、材料費などです。
目安:施術料金の10〜20%



例えば、フェイシャルで使う化粧品が1回あたり1,000円なら、施術料金は最低でも5,000円〜10,000円必要です。
2. 技術料
あなたが身につけるのにかかった時間とお金です。
- スクール費用:50万円
- 練習に費やした時間:数百時間
- これまでの経験:〇年
これを回収しなければいけません。



安く見積もって、1回あたり3,000円〜5,000円は技術料として乗せるべきです。
3. 空間提供料
居心地の良い空間を提供する対価です。
- 家賃
- 内装費(減価償却)
- 音楽、アロマ、リネン類
- 清潔で快適な環境維持費



1回あたり1,000円〜2,000円は空間提供料として計算します。
4. 時間の価値
あなたの1時間をいくらで売るか。
施術時間だけでなく、カウンセリング、準備、片付け、カルテ記入、LINEでのやり取り…すべて含めて考えます。
最低でも時給2,000円以上は確保したいところです。
60分の施術でも、前後の時間を入れると90分かかるなら、3,000円は必要ですね。
具体例で計算してみよう
例:60分フェイシャルの場合
- 原価(化粧品など): 1,000円
- 技術料: 3,000円
- 空間提供料: 1,000円
- 時間の価値(準備含め90分): 3,000円
合計:8,000円
これが適正価格です。
「近所のサロンは6,000円だから…」なんて気にする必要はありません。
あなたのコンセプト、ターゲット層、提供する価値が違えば、価格も違って当然です。
例:小顔矯正 60分の場合
- 原価(オイルなど): 500円
- 技術料: 4,000円(専門技術だから高め)
- 空間提供料: 1,000円
- 時間の価値(準備含め90分): 3,500円
合計:9,000円
これでも十分「お手頃」な価格です。むしろ、専門技術なら12,000円でも適正価格と言えます。
競合の価格は「参考程度」に
「でも、近所のサロンはもっと安いんです…」
その気持ち、わかります。でも、競合の価格はあくまで参考程度にしましょう。
競合と同じにする必要がない理由
1. 提供している価値が違う
- あなた:完全個室、オーダーメイド施術、丁寧なカウンセリング
- 競合:複数ベッド、流れ作業的な施術



同じメニュー名でも、中身が違えば価格も違って当然。
2. ターゲットが違う
- あなた:質を求める30代〜40代
- 競合:安さを求める20代



ターゲットが違えば、適正価格も違います。
3. 経営状況が違う
- 競合:自宅サロンで家賃ゼロ、だから安くできる
- あなた:テナントで家賃がかかる



経営状況が違えば、必要な売上も違います。
「高いな」って思う人は、そもそもあなたのターゲット層じゃない
これ、すごく大事です。
「9,000円は高い」って思う人は、あなたのサロンのターゲットじゃありません。
逆に、「9,000円でこのクオリティなら安い!」って思ってくれる人が、あなたのお客様です。
全員に来てほしいと思うから、価格を下げたくなる。でも、それは間違い。
あなたの価値を理解してくれる人だけに来てもらえばいいんです。
初回限定価格の正しい設定
「でも、新規のお客様には割引したほうがいいのでは?」
初回限定価格を設定するのはOKです。ただし、安すぎはNG。
初回限定価格の目安
通常価格の70〜85%程度
- 通常価格:9,000円
- 初回限定:7,000円〜7,500円
これくらいが適切です。
やってはいけない初回価格
❌ 通常価格の50%以下
- 通常9,000円 → 初回3,980円
これだと、「初回だけ安いサロン」って認識されて、2回目以降来てくれません。



「え、次からこんなに高いの?」ってギャップが大きすぎるんです。
初回限定価格の伝え方
「初回3,000円引き!」みたいな伝え方より、「初回限定価格7,000円」って見せたほうが、特別感が出ます。
安売りサロンから脱却する3ステップ
今すでに「安くしちゃってる…」というサロンオーナーさんへ。
大丈夫、今からでも脱却できます。
まず、上で説明した計算式で、本当に必要な価格を算出しましょう。
- 原価
- 技術料
- 空間提供料
- 時間の価値
これを足したら、本来あなたが受け取るべき金額がわかります。
いきなり値上げすると、既存のお客様が離れる可能性があります。
だから、「新メニュー」として適正価格のメニューを作りましょう。
- フェイシャル 60分 5,000円
- プレミアムフェイシャル 75分 10,000円
- 結果重視フェイシャル 60分 8,500円



新しいメニューには、+αの価値をつけて、適正価格で設定します。
既存のお客様には今まで通り。新規のお客様には、新メニューを中心に案内します。
徐々に新メニュー中心にシフトしていきましょう。
半年〜1年かけて、「安売りサロン」から「適正価格で価値を提供するサロン」に変わっていけます。
価格を上げることへの不安を乗り越える
「でも、やっぱり怖い…」
その気持ち、本当によくわかります。
よくある不安と答え
適正価格で提供するために大事なこと
価格を上げるなら、それに見合った価値を提供しなければいけません。
価値を高める5つのポイント
- 1. 技術を磨き続ける
-
勉強会、セミナー、練習…常に向上心を持つ。
- 2. 空間を整える
-
清潔感、居心地の良さ、細部へのこだわり。
- 3. 接客を丁寧に
-
カウンセリング、説明、アフターフォロー、すべてに心を込めて。
- 4. 結果にコミットする
-
「何となく気持ちいい」じゃなく、「変化を実感できる」施術を。
- 5. お客様との関係性を大切に
-
一人ひとりを大切にする。名前を覚える、好みを覚える、誕生日を祝う。



これらができていれば、お客様は「このサロンなら、この価格でも納得」って思ってくれます。
まとめ
安売りがダメな理由
- 自分の価値を下げる
- 価格で選ぶお客様しか来なくなる
- 値上げができなくなる
- 経営が成り立たない
適正価格の計算式
適正価格 = 原価 + 技術料 + 空間提供料 + 時間の価値
競合の価格は参考程度に。



あなたの価値を理解してくれる人に、適正価格で来てもらう。これが、長く続けられるサロン経営の秘訣です。
今日からできること
- 自分のサロンの適正価格を計算する
- 今の価格と比較する
- 新メニューを作って、適正価格で設定する
- 新規のお客様には新メニューを案内する
安売りから脱却して、あなたの価値をしっかり受け取りましょう。
あなたの技術、時間、想いには、それだけの価値があります。
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